今回は、受験生の皆さんが意外と手薄になりがちな、国語の現代文単語というところに焦点を当てた記事を書いていきます。

 受験生時代の私が良い例なのですが、現代文の単語というのはどうしても自分たちが普段使い慣れている言語だということもあって、「わざわざ勉強しなくても、、、」なんていう風に思ってしまっていました。加えて、「評論文とか物語文に出てくる一個の単語がわからなかったくらいでどうにかなるものではないだろう」と考えて、対策などはほとんどせずに受験に臨んでいきました。

 しかしながら、そうして臨んだ共通テストや二次試験の現代文でここぞというときの単語力不足で思うように点が伸びず悔しい思いをしてしまいました。

 これを読んでくださっている皆様にはそのような想いをしていただきたくはありません。そこで、いかに現代文の単語を学ぶことが重要なのか、そして現代文の単語を勉強するにおいて最適な参考書は何かということを説明していきます。

・現代文単語を学ぶ重要性とは

語彙力は現代文を読むうえで根本的に必要であるということ

⇒現代文の文章として出題される文章はどのようなものでしょうか、みなさんパッと最近読んだ文章を思い出してみてください。評論文であったらその道の専門家が自身の思考や意見を説明していたり、物語文であれば文豪や著名な作家が苦心して書いた作品が登場するわけです。

 それらは受験生の皆さんよりも、その内容に関しては明らかなプロが書いている文章であるため、相応に難解であり、使われている語彙というものも普段私たちがしゃべったりするときに使われる語彙とは一味も二味も違うものです。

 それらを読み解いていくために私たちができることは、少しでも語彙力を増やし、筆者や作者の思考や表現を理解しやすくするということが前提として必要となります。

記述問題を解くときにおいて、自分自身の解答をワンランクアップさせられるということ

⇒受験をするということになれば、自分自身で解答を紡ぎだす記述問題を一度はみなさん解くことになると思います。国公立志望者やAO入試志望者などは確実に記述式の問題を解く必要が出てくるといえます。また、それらの志望ではなくても、現代文の勉強をするときには記述問題は思考の最適化をするために良い勉強法となります。

 そういった記述問題を解くとき、だらだらとした文章を書くわけにはいきません。そのためには、自分の書きたいことを簡潔に表してくれる語彙をどれだけ持っているかがポイントとなるのです。

 例えば、「顔がほころぶ」という表現が書かれていたとして、これを直接解答内に盛り込むと少し字数を使ってしまいます。字数制限がきつい問題だと馬鹿にならない文字数です。そこでこれを簡潔に言い換えようと思ったら、どのような意味やイメージを持っている表現か知っておく必要があります。ここでは、「顔がほころぶ」というのは総じて安心した時や、喜びの感情を表すときに使う表現です。そこで記述の解答を書くときには、ただ「喜んだ」や「安心した」と書けばいいというわけです。

 自分自身の解答をすっきりとした、完成度の高いものとするためには語彙力や表現の意味を知ることが重要になるということとなります。

日常生活や将来においても語彙力は重要となるということ

⇒これはすべての勉強において共通して言えることではあるのですが、受験勉強というものは受験のみに使う知識や経験というわけではありません。特に現代文というジャンルは日々の実生活や大学での勉強などにも色濃く影響するものです。

 先ほども少し言及したところではありますが、私たちは普段の生活で簡易ななじみ深い悪く言ってしまえば雑な日本語を使ってしゃべっています。しかし、大学などに入り色々とやることが増えてくると、自分と近しい人だけではなく、目上の人や他人と接する機会というものは圧倒的に増加します。そんなときに語彙力というものは、自分自身を高めてくれる上に、相手方に一定の信頼感を与える重要な要素となります。

 加えて、より専門的な勉学をしていくうえでも語彙力というものは、高い水準であったほうが確実に役に立つこと間違いなしです。

・おすすめの現代文単語帳2選

 以上に挙げた理由は一部ではありますが、現代文の単語を学び語彙力や表現力をつけるということの重要性は伝わったかなと思います。 

 なのでここからは、現代文の単語力を引き上げてくれる、おすすめの単語帳を2つ紹介していきます。

『現代文キーワード読解』 Z会出版

『現代文キーワード読解』 Z会出版 浅野直樹/榎吉郁夫 ¥990(税込み)

 最初にご紹介していくのは、Z会出版の『現代文キーワード読解』です。こちらの参考書は、Amazon現代文参考書の売れ筋ランキングでも、2位などの上位をキープしている定評のある現代文の単語帳兼参考書です。

 この参考書は、現代文において確実に必要となる語彙を中心として学ぶことができ、それに伴いつつ現代文の頻出テーマや読解のテクニックなどを身に着けていくことができるオールマイティな参考書です。

 テーマごとにこれだけは押さえておきたいという語彙が、的確な解説と合わせて掲載されており、難解で抽象的な語彙に関してはイラストも付されていて理解がしやすくなるように図られているなど、読み物として読む分にも面白いものとなっており、各テーマごとに確認問題載っているため知識の定着も図っていくことができます。

 入試現代文で書かれるテーマは大体において決まっていることが多く、そういった頻出のテーマを押さえておくことで、出題された文章でどこに着目して読んでいけばいいのかわかり、どのようなことが問われるのかも予想できるようになります。

 この参考書は現代文を包括的に学習していくことができるものであるため、初心者から受験本番の人まで幅広い人に浸かっていただきたい参考書です。ザっと読むだけでも、現代文の点数は底上げされていくはずです。

☆おすすめの使い方☆

‣まずは一通りすべての内容を読みすすめる。途中で止まったりはあまりせず、最後までやり切ってしまうことが重要となります。

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‣続いて、2周目以降では自分があまり得意ではないテーマを発見していきましょう。そのテーマに関しての知識の定着を図ることを中心として勉強をしていきます。得意だと感じられたテーマに関しては、さっと流しで読んでいけばよいです。

『生きる漢字・語彙力(増補改訂版)』 駿台文庫

『生きる漢字・語彙力(増補改訂版)』 駿台文庫 霜栄 \1023(税込み)

 続いてご紹介するのは、『生きる漢字・語彙力(増補改訂版)』です。こちらも一つ前にご紹介した『現代文キーワード読解』と同じく、人気の高い参考書となっています。

 こちらの参考書は、中身はいわゆる学校で配布されるタイプの漢字の練習帳という体ではありますが、載っている単語数が非常に多く、一つ一つの単語に簡潔ながらも理解がしやすい説明が施されているため、書きの練習をしつつ語彙力を身に着けていける内容となっています。

 入試データに基づいて構成が為されており、入試に頻出する語句に関して出る順で練習する章や、間違いやすい漢字を練習できる章、また四字熟語や慣用句もこの一冊で身に着けることができ、この一冊をしっかりとやりこむことができれば、語彙力は格段に上がるといえます。

 加えて、旧センター試験の現代文第一問の問1の漢字の問題もすべて収録されているのも特徴といえます。昨年度から始まった共通テストの問題を見る限り、漢字問題の傾向は旧センター試験と何ら変わっていないため、ちょうどよい演習となること間違いなしです。

 漢字の書き問題は、入試問題では必ず出題されるものです。得点自体は1問につき1点~2点と大きなものではないですが、その1点、2点が合格を左右することも多々あります。そういった悔しい思いをしないためにも、こういった漢字語句の練習は必須だといえます。

☆おすすめの使い方☆

‣1周目に関しては、一回でやる範囲を限定し(例えば1日で100個など)着実に全内容をやるようにしましょう。また、語句の意味に関しても目を通しておき大体どのようなイメージの単語かという程度には理解して置けると後々らくになります。

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‣2周目以降に関しては、1周目よりも一回でやる量を増やしていきましょう。とにかく繰り返し何度も書くことが重要となります。意味も合わせて覚えていくことも2周目以降は意識していくと効率よく覚えていくことが可能です。

 以上に挙げた2冊をこなすことで、大学受験を受けるための語彙力や読解における重要語などは確実に理解しかつ覚えて身に着けることが可能です。こちらの2冊は、文系、理系の人を問わずおすすめの参考書ですので、国語を勉強するならば確実に持っておきたいものであるといえます。

 説明したようなやり方でぜひ取り組んでいただきたいと思います。

・語彙を増やす勉強を始めるタイミング

 どのようなタイミングで上記で紹介した勉強に取り組み始めればいいのか、気になる方もいらっしゃると思います。

 これに関して言えることはただ一つ、、、

なるべく早め早めに!!

ということです。早く語彙力を身に着けておいて悪いことは一切ありません。思考力の問われる問題の増えた共通テストなどでは、文章を読んで解答するスタイルの問題が多くなりました。そのため、語彙力は文理問わず必要であり、持っておいて損はないものなのです。

 人より先んじてこれらの勉強を取り入れていくことが、合格への近道となることでしょう。この記事を参考にして、皆様には頑張っていただきたいなと思います。 

 この記事を読んでくださってありがとうございました!

 

 

 

 

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