前回の記事に引き続きまして、今回の記事では、共通テスト国語の解く際のポイントなどを紹介していきたいと思います。
今回は、大問2編です。前回の記事(共通テスト国語の解き方決定版 大問1編)をまだご覧になっていない方は、ぜひそちらの記事もチェックしてみてください。
大問1の現代文編では、共通テストの簡単な説明も行っているため、共通テストについて簡単に知りたいという人も確認してみるとよいと思われます。
共通テスト国語にどのように立ち向かっていくか 大問2
それでは早速大問2の解説に入っていきます。
大問2(配点:50点)
文章の題材:小説文が主体(大問1と同様旧センター試験と同様)
問題構成
問1:語句意味説明問題(配点 3点×3) 本文中の傍線部が引かれた語句や文の、文章中における意味を選択肢の中から選択する問題。旧センター試験にも同様の問題が出題されている。
問2~問5:文章読解問題(配点 6~8点×4) 本文中の傍線部が引かれた文章の適切な解釈や説明を選択するオーソドックスな読解問題。こちらも旧センター試験同様に同様の問題が出題されている。
問6:資料読解問題(配点 6点×2) 本文に関連した資料が提示され、本文とその資料を関連付けた読解問題である。共通テスト独自の出題である。
※配点や問題構成は、令和3年度の共通テスト国語の問題をもとに作成していますので、本年度のものと同一であるという確証はないのでご注意ください。しかしながら、大幅な変更はないと考えられるため参考程度にしてください。
各設問を解く上でのテクニック
問1⇒この問題は、簡単そうに見えて実は落としかねない問題なので注意が必要だ。というのも、問われる語句のレベルが高いことが往々にしてあるからである。最初の設問だからといって油断をしてはいけない。
解き方のポイントとしてまず言えることは、語彙力を増やすということである。当サイトでも紹介をしている、現代文の単語帳を用いて語彙力本番までに少しでも増やしておくことは確実に必要となる。 しかしながら、現代文の単語というのは他科目でも幅広く暗記をしなくてはいけない受験生にとっては、優先順位をどうしても高くすることができない分野である。
そこで重要となるのが、やはり前後の文章をしっかりと確認しておくことである。傍線部だけを見て、何となくこんな感じの意味だろうと推測して選択してしまうと、出題者の思うつぼであり、ひっかけるために置かれている選択肢を選んでしまうことになる。どうしても焦っていると周囲の文との整合性を確認することを疎かにしてしまいがちなのであるが、ここに関しては確実に取りこぼしたくなく得点源としたい。
問2~問5⇒これらの設問は非常にオーソドックスな読解問題となっている。現代文編でも紹介したところではあるが、ぜひ当サイトで必見ページである「現代文読解における基礎的解き方(まとめ)」この記事をチェックしてもらいたい。これを一読しておくと、現代文において着目するべき点が大まかに理解できるはずだ。
さてそれを踏まえたうえで、小説の読解に必要となるのはどのような点かと言えば、何より重要なのは登場人物の心情変化を追うことである。小説の読解問題で問われるのは大半が、登場人物の心情や状況について適切な解釈ができているのかということだと言える。そのため、心情変化を時系列で登場人物ごとに的確に把握しておくことは、解く際に重要となる。
登場人物の心情変化を追うためには、文章中における心情を表す語句や情景描写、概況などの心情を読み取ることができる要素を把握し、そこから心情を読み取ることである。小説においては、直接的な表現で心情などを表すということは少なく、情景や状況などから感情を読み取るという作業が必要となるため、この点は演習の際などに意識しておく必要がある。
問6⇒最後の設問がやはり現代文と同じように、共通テストにおける独自性のある問題である。上記したように本文に関連した資料が提示され、それに基づいた問題を解いていくこととなる。実際の問題を見ておいてほしい。
問題リンク:「共通テストホームページ 2020年度国語問題」
本設問は、前年度の第一回共通テストを例にとってみると、小説本文に対する批評文が載せられており、本文の内容の批評家の解釈として適切なものを選択するというものであった。この設問の特徴として選択肢が少なかったということが挙げられる。つまりは、正答の確率が上がるということなのである。他の設問が5つほどの選択肢なところ、この設問では選択肢が4つであり、単純に考慮すべき選択肢が減っているのはプラスの要素であるといえ、解きやすくなっているともいえる。
以上は形式面の話であるが、この設問の解き方のポイントは従来の読解と何ら変わりのあるものではないのである。形式として、本文とは異なった資料が提示されているため、読むべき文が増え面食らい、つい難しいのではないかと感じてしまうかもしれないが、そこまで資料は長いものではないうえに、読解も他の設問と変わることのないレベルのものだ。
本質として重要となるのは、結局のところ本文をしっかりと読めているのかというところであり、資料はあくまでそれを補足するものでしかないのである。この設問では、前年度のように批評文の資料が提示される以外にも、小説を読んだ複数人の会話などが使われる可能性も考えられるため、対策の演習を十分な数行っておき、対応力をつけておく必要があると言える。
以上までで、大問2の解き方と考え方のポイントを説明しました。次の記事では、大問3の古文の解き方について説明していきますので、そちらもぜひチェックしてみてください。
お読みくださってありがとうございました!