さて、今回の記事では、受験生が苦しめられることも多い古典を得意だといえるようにする参考書や問題集を何点かご紹介していこうかと思います。
どうしても読みづらいし、あまり馴染みのない内容も多いしで苦手意識を持ってしまう人が多い古典、しかしそうはいっても間違いなく今の私たちと同じ日本人が作り上げたものなのです。少し視点を変えるだけで面白さや、興味を覚えるようになれることも多いため、紹介するものを使ってみて、自分の糧にしてみてください。
それでは、さっそくおすすめを紹介していこうと思います。
Contents
☆おすすめの参考書☆
このコーナーでは、古文の参考書をご紹介していきます。参考書というのは、問題演習などを中心とせず文法や読解に関する基本的知識やその応用を身に着けるものです。文法、読解、単語の三つの観点のおすすめを一つずつ紹介していきます!
文法:『古典文法講義の実況中継①・➁』
まず文法学習のおすすめとしてご紹介するのは、ご存じの方も多いかもしれませんが『古典文法講義の実況中継』です。こちらの参考書は、ロングセラーとなっており長きにわたって受験生を救ってきたものです。
この参考書の最大の特徴として挙げられるのは、その網羅性の高さにあるといえます。その分情報量が多いため二冊セットで重ねてみるとなかなかに分厚く、つい敬遠してしまうかもしれません。しかし語り口が説明調ではなく講義を実際に聞いているかのようなもので読みやすく、すいすいと読めてしまうものです。
受験に必要な古文の文法の知識はこれ一冊で十分身につくものでこれさえやっておけば、文法で困ることはそうそうないといえます。巻末に文法事項の総まとめが掲載されており、受験本番まで繰り返し目を通すこととなる参考書です。
一つ欠点として挙げられるのは、知識の確認をするための演習問題が少ないことです。そのため、次のコーナーで紹介する古典文法の問題集も合わせて取り組むことで、知識の定着が図れますのでどちらも手に取っておきましょう。
読解方法:『1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』
続いて読解方法学習に関してご紹介する参考書は、『岡本梨奈の1冊読むだけで古文の読み方&解き方が面白いほど身につく本』です。昨今勢いを増しているオンライン予備校である「受験サプリ」の人気講師、岡本梨奈先生によるデビュー作です。
この参考書の特徴としていえるのは、他の参考書にはあまり見られない、古文の「読み方」という点の解説が為されているところにあるといえます。「解き方」という点は様々な参考書で解説が為されていますが、そもそも古文というはるか昔に書かれた文章をどうやって現代文のように理解しつつ読み進めていくのかという点にフォーカスしているのは受験生にとってありがたい点です。
内容自体も具体例に富んでおり理解がしやすいもので、豊富な図解や読んでいきやすい口調など古文が得意な人もそうでない人も勉強がしやすいおすすめの参考書であるといえます。
またもう一つの特徴として、こちらの参考書、入試で頻出する和歌の攻略方法が掲載されているのです。当時の人々のたしなみでもあった和歌は入試頻出なのですが、ページ数を割いてしっかりと原理から解き方まで説明している参考書は見かけませんので、和歌が苦手という人にもおすすめできます。
単語帳:『読んで見て覚える古文単語315』
次に、おすすめの単語帳としてご紹介するのは、『読んで見て覚える古文単語315』です。こちらの単語帳、高校などでも配布するところが多い非常に有名で、使用率も高い単語帳となっています。
学校で配られるものであるからと言って決して軽視してはいけないのがこの単語帳で、315個の見出し語に加え関連語や慣用句なども収録されており、表紙にも書いてある通り収録総数は608語と少なくなく、これ一冊を完璧に覚えるだけで入試古文単語の大半をマスターすることが可能です。
また、こちらの単語帳は覚え方を様々に提案してくれるところも魅力の一つです。単語の意味をイメージでつかめるイラストであったり、語呂合わせ、語源の解説など様々なアプローチで単語を覚えていくことができ、ただただ意味が羅列してあるような簡潔な単語帳が合わない人にもおすすめできます。
加えて、古文常識や文学史、品詞の識別などの古文を解く上で必要となる情報が簡潔に巻末にまとめて紹介してあり、この単語帳一冊で古文の実力を底上げしてくれること間違いなしです。複数の単語帳に無理に手を出すよりは、こちらを完璧にすることを優先してもよいと思います。
☆おすすめ問題集☆
このコーナーでは、おすすめの古文の問題集をご紹介していきます。問題集とは、問題演習を中心として実践力を身に着けていくもののことを指します。知識を身に着けてもその使い方を知らなければ入試に太刀打ちできません。その実力を身につけさせてくれるのがやはり問題演習であり、どれだけ問題を解くかが重要となるのです。なので、ここでは文法、読解の二つの項目で何個かのおすすめの問題集を紹介していきます。
文法:『ステップアップノート30 古典文法基礎ドリル』
文法事項を自分のものとするにはこれだけでいいといえるのがこの、『ステップアップノート30古典文法基礎ドリル』です。こちらは、基礎ドリルということで基礎編で、もう一冊同じシリーズで『ステップアップノート30古典文法トレーニング』も出版されており、合わせてやれば文法の基礎事項と発展事項に関しては完璧に抑えられるといえます。
この問題集は、文法事項ごとに問題が複数設定されており、基本的な短答や文章を交えた問題など様々な角度から文法を確認することができるものです。また、一つの文法事項例えば「助詞」などといった項目につき、そこまで多くの問題が与えられているわけではないため、短時間で効率よく文法の確認をしていくことができます。
『基礎ドリル』を一通りこなしただけでも基本的な事項はほとんど身に付きますが、やはり『トレーニング』の方もやっておいた方がよいのは確かです。というのも、やはり文法というものは単純な暗記が基本的な勉強方法となるわけで、それを実際に問題形式で解くことによって定着が一層図れていくものです。そのため、単純な演習量というものはそれだけで力となります。よって、文法に特化しており、さらに問題も精選されていることもあるため、二冊やることをお勧めします。
使い方
上記で紹介した文法の参考書、例えば『実況中継』などを一通り学習した後の知識の定着を目的として使いましょう。そこまですべてをやるのに時間がかかる問題集ではありませんので、できるだけ短期間に何周かしてしまい、文法の知識を早め早めに固めてしまうのがベストです。
読解:『古文上達基礎編 読解と演習45』
読解練習のための問題集としてご紹介するのは、『古文上達基礎編 読解と演習45』です。こちらも文法編でご紹介した『ステップアップノート30』シリーズと同様に、二巻目として『古文上達 読解と演習56』も出版されています。
この問題集は、文法の確認と読解の演習が合わせてできる優れモノとなっているのが特徴です。文法事項ごとに文法の確認問題と、演習の文章題が設定されており、古文を網羅的に実践し学習していくことが可能となっています。とはいっても基本的には読解の演習が中心となっているので、文法は一通り学習し終わった後にこの問題集に取り組んでいくのがおすすめです。
文章の難易度としてはそこまで難しいものではなく、レベルとしては共通テスト~日東駒専あたりの問題レベルとなっています。とはいうものの、このくらいの古文をすらすらと読めることは、受験をしていくにあたっては必須ともいえるため、自分の古文読解の安定感を作るには完璧にこの問題集をこなせる必要があるのです。
『読解と演習45』が終了した後には、『読解と演習56』もやることを推奨します。こちらの56の方は文章と問題の難易度が上がるため、徐々に自分の力をつけていくことができるようになっています。解説も非常に丁寧で、自分の理解が足りていないところを客観視できるのもこの問題集の魅力といえるため、ぜひ使ってみましょう。
使い方
基礎的読解力を身に着けるのがこの問題集を行う目的であるため、夏休みから9月くらいまでには終わらせることを目標としましょう。一周目は一つ一つの問題に集中して取り組み、二周目などに関しては文法の確認などは飛ばし演習を基本取り組んでいき、わからないところやあやふやなところだけは確認も行うのがよいです。
効率よく取り組むことで、基礎力を定着させることができていくため、テンポは常に意識して問題集を使っていきましょう。
☆終わりに☆
ここまで、古文を得意なものとする参考書と問題集をご紹介してきました。上記でご紹介した教材をうまく用い、知識を自分のものとすることができれば、共通テストレベルの問題では怖いものはなくなると断言することができます。また、難関上位校を目指す受験生にとっての確かな礎ともなるでしょう。
目標をもって取り組んでいけば、いかに苦手な教科と言えどもできるようになっていくものです。古文に関しても、意外に一からステップを踏んでいけば着実に点数を伸ばしていける科目です。あきらめずに継続して勉強を続けていきましょう。
今回ご紹介した記事が、みなさまの助けになれたなら幸いです。ここまで読んでくださってありがとうございました!