全統共通テスト模試現代文の攻略法徹底解説    【評論文編】

国語太郎
全統共通テスト模試って難しいのかな、、、
国語が本当に心配なんだよなぁ。
先生
どうやら困っているようだね。
国語太郎
あ、先生!今度全統共通テスト模試があるんですけど、解けるかどうか心配で、、、
特に僕は現代文を解くのが苦手なんです、助けてくださいぃぃ
先生
よし、わかった。それじゃあ、今回は2021年度の第一回目の全統共通テスト模試の現代文の解説をしていきながら、攻略方法を考えていこう!
国語太郎
先生、お願いします!!

 それでは今回の記事では、全統共通テスト模試の現代文の攻略法について説明していこうと思います。

 題材としては、2021年度の第一回全統共通テスト模試を使っていきます。やはり、共通テストとなると問題の形式自体は統一されているものであるため、攻略方法も応用しやすいです。そのため、一つ一つを別の問題、別の試験として考えるのではなく、すべて共通テストにまでつながるものだという意識で取り組んでいきましょう。それぞれの問題形式に対してのアプローチも紹介していきますので、最後までお付き合い下さい。

 早速まずは、本文の解説から行っていきたいと思います。段落ごとにポイントを取り上げていきます。基本的に読解の際には、反復されている内容や、指示語をしっかりと意識して読み進めていくことが重要です。

【本文解説】

・前文⇒尊厳死=人間らしい死。延命治療を拒否する権利として、自己決定権の一つとして扱われる。これを具体化する手段が安楽死であるとされる。

・第一段落目⇒まずはここで大まなテーマをつかむ。「こんな話かなぁというところ」

文内容:積極的安楽死や医師幇助自殺(PAS)を肯定する基本的考え⇒「死の自己決定権」

・第二段落目 

読解ポイント:「少なくとも」などという強調される語句は、筆者の伝えたいことが表れている

文内容:現代医療における、インフォームド・コンセントや患者の自己決定権といった考え方の普及

⇒()内では、日本における上記考え方を疑問視している。懐疑的な作者の見方をつかむ

・第三段落目 傍線部が引かれている部分は作者の問題提起であったりすることが多い。注目するべき。(今回は「含まれるのか」という問いかけ。)

読解ポイント:「これ」などの指示語が何を指すのか、逐一やじるしを引くなどして確認できるようにしておくことが重要。三段落目では、最終文の「これ」は、自己決定権の射程に関してである。

文内容:「患者の自己決定権」というテーマに関する、一般的理解を示している。一般的理解は、治療の選択権

⇒ここで、設問部分になっている傍線部Aで作者の疑問提起。「死の自己決定権」は自己決定権に含まれるのか

・第四段落目 ここから、三段落目で提示された作者の疑問を、段階ごとに解説が行われている。「まず」「たとえば」といった接続詞に注目したい。具体例は軽く読めばOK。ここで時間をとられないようにしたい。

文内容:「死の自己決定」において、肯定できるものについての説明。⇒死に至るまでにどのように生きるのかという選択においては、本人の意思、自己決定が必要となる。

・第五段落目 「次に」「たとえば」に注目する。

読解ポイント:「次に」から始まる文章であり、論が展開されていっていることを意識する。多数の、指示語「それ」や、「こうした」などといった言葉が何を指すのか確認する。

二,三行目「それ」、七行目「こうした選択」⇒尊厳死などの「自然死を無理に引き延ばす治療の拒否」     十一,十二行目「そうした情報」⇒人工呼吸器をつけつつも快適な生活を送ることのできるサービスの存在      

文内容:自己の決定だからと言って、延命治療拒否などの選択をすべて正当化してしまうことは、病気の違いや情報量の違いなどがあるにもかかわらずすべての選択を同一のものとして捉え、延命をしない方向に誘導することに繋がりかねないという危険性がある。

・第六段落目

読解ポイント:「したがって」から始まる文章で、第三段落から展開してきた論がいったんは締められるため、筆者の意見が集約するところ。「~するべき」は主張の目印であると考える。

文内容:延命治療拒否等の自己決定が、患者の自己決定権に含まれるかどうかは、ケースバイケースで考えなければならない。基本的には筆者は、否定的な見地に立っている。

・第七段落目 

読解ポイント:「他方」から始まることから、第六段落で述べた「延命治療」と「積極的安楽死・PAS」を対比していることを読み取る。「思われる」は主張の目印。

文内容:積極的安楽死やPASなどの、死を選ぶ市の自己決定は、治療についての選択という意味で一般的に理解される「患者の自己決定権」として主張することは、難しい。

・第八段落目 ここから、筆者の新たな視点からの論が始まる。

読解ポイント:注目すべきは先ほどと同じく、傍線部である。傍線部は基本的に作者の問題提起や疑問提示などの部分が選ばれるため、それ以降の文章ではその内容の答えを探す意識をもって読んでいくことが重要。

文内容:「人のいのちは誰のものだ?」という問いへの答えは、一般的には「自分のもの」と語りがちであるが、それは「フィクション」である。「フィクション」とはこの場合、虚構とかそういった意味合いで使われているため、否定的なとらえられ方をしていることに気づく。

・第九段落目 ここから、第八段落での提起に関する論が展開されていく

読解ポイント:指示語の内容を把握すること。                                               一行目「このフィクション」⇒いのちは自分のものというフィクションのこと                    四行目「こういうところでは」⇒自分のいのちにかかわる重大な事柄に関する決定の場面

文内容:いのちは自分のものというフィクションは、重大な事柄を決める際に医師や家族に決められてしまうのではなく、みずから選択をする必要があり、そういった場合にのみこのフィクションは有用であるといえる。

・第十段落目

読解ポイント:殉じたという言葉に強調点がつけられている。筆者の皮肉を込めて殉じるという言葉を使っているということを、読み取る。

文内容:いのちは自分のものというフィクションに殉じた結末として、欧米における個人主義や、一貫した自我意識といったものに支えられた、安楽死やPASというものが産み出される。

・第十一段落目 「しかし」で始まり、前段階の内容とは逆の内容が書かれていく。「~なのではないだろうか」は筆者の主張の目印である。

読解ポイント:「しかし」という逆説の接続詞のあとには、筆者の主張が展開されやすいため、注力して読む。特に、二行目「ここでは」か主張がなされていくことになる。

文内容:自分のいのちはじぶんのものというフィクションを貫くことは、大方の人にとって窮屈。特に安楽死や尊厳死に関してこのフィクションによって見えにくくなっている二つの側面を、これ以降述べていく。

・第十二段落目 二つの側面のうちの「一つ目」

読解ポイント:「「死なせる」方向に誘導されてしまう」という内容が、第五段落目の論と似ていることに注目。反復される内容は、重要度が高いといえる。( )で書かれている単語の説明や補足は、理解のために必読すること。「~して(されて)しまう」「危険性は高い」はマイナス評価を表す表現である。 

文内容:死をめぐる自己決定の際に、医師からの情報に依存するものだが、実際には多忙な医師から一人一人に即した説明が為されているとは言い難く、情報不足の場合が多いことが否めない。それに加え、先行しているイメージや、「患者の権利」という考え方があまり浸透していないこと、インフォームドコンセントなどの語句の誤用等によって、患者に死を選ぶ決定へと暗に誘導してしまっている。

・第十三段落目 二つの側面のうちの「二つ目」

読解ポイント:第十段落の欧米的思考の説明と似ている点に注目。反復されているといえる「一貫した自己」などのところ。コロコロなどのオノマトペは、筆者の心情が込められている点だといえるため、その部分を意識しておく。「~はずである」は筆者の主張の目印である。

文内容:現在の健康な自分といった状態を私たちは強調して考えそこに尊厳を見いだすために、延命治療を受けている状況などを尊厳を失った状態と捉えてしまう。しかし、人間の感情など日々変わるものであり、実際にそのような状況になってみないとわからないことが多い。

・第十四段落目 「二つ目」の側面の追加内容

読解ポイント:問いかけるように文章が書かれている。「~ではなかろうか。」「~ないだろうか。」といった文章は、読者に呼び掛けて意識付けるためのテクニックである。筆者の気持ちの入っている部分である。

文内容:生産性や効率性を重視する社会において、生きる希望を失うことが増えたが、たとえ生きる価値や意味が失われたと思っても、価値観を転換して生き抜いていける力を人は持っている。

・第十五段落目

読解ポイント:設問文の最終段落であり、筆者の最終的な主張が述べられていると考えておく。筆者の取り上げた考えを用いて、新たな問いを投げかけるというのはよくあるパターンである。しかしこの設問文とはそこまで深く関係していることはないため、この場合簡単に理解しておくだけでよい。「悪夢」はマイナス評価を表す。「~べき」は筆者の主張を示す。

文内容:ナチスにおける優生思想の考え方からくる命の峻別といったものが、現代における安楽死や尊厳死といったことを考えるときに、日常的考え方の根底に地続きで存在している。

・【資料】(人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン)の内容のまとめ(「最も重要」「重要」「~すべき」「~が必要」に注目して要点を拾う。)

一点目:患者本人に十分な説明と話し合いを行い、本人による意思決定を基本とすること。加えて、患者の意思の流動性も加味してその都度、意思表示の場を設け、もし意思表示が困難な状況となった場合に備え、患者本人は家族内に自分の意思を推定する者を設定しておくことが重要。

二点目:最終段階における医療・ケアの選択のすべては、医学的妥当性と適切性をもとに慎重に判断すること

三点目:可能な限り不快な症状を緩和し、精神的社会的援助も含めた総合的対処を行うことの重要性

四点目:生命短縮を意図する積極的安楽死は、ガイドラインの対象外

 ここまでは、本文解説を行ってきました。ここからは設問解説を行っていきます。

【設問解説】

問一:漢字問題。基本的にセンター試験と内容は変わらずであるため、練習はしやすい。一冊の漢字練習帳を完璧にすることが第一。それぞれの選択肢の解説は省略。

問二:傍線部Aに関する設問。基本的にまずは、傍線部の分解と指示語の内容をつかむことを行う。そうすることによって、どのような点に注目して本文を考えればいいのかわかる。この設問では第6・第7段落に注目する。

傍線部A「こうした患者の自己決定権のなかに、『死の自己決定権』は含まれるのか、含まれるとすると、どこまで含まれるのか。」⇒この傍線部文章を分解すると、パーツとしては「こうした患者の自己決定権」「『死の自己決定権』は含まれるのか」「どこまで含まれるのか」の三つに分けられる。それぞれ①、②、⓷として一つ一つ考えていく。

①「こうした患者の自己決定権」:指示語である「こうした」を含む。ここでは、自分が特定の治療を受けるか受けないかという、治療の選択権ということである。

➁「『死の自己決定権』は含まれるのか」:①の中に死の自己決定権が含まれるのかを考えていく。第四段落以降で、死の自己決定権について論が展開されていくため、注力して読んでいく必要がある。特に、決定権などの語が用いられているところに注目する。

③「どこまで含まれるのか」:➁が、どの程度の内容まで①の中に含まれるのかということである。➁の範囲、つまりは許容される限度などの話を述べているところに注目する。

☆ポイント:次に選択肢を見ていきます。選択式の問題すべてに共通するところではありますが、基本的には選択肢の文章のなかに、本文と当てはまらない内容が書かれていたら、選択肢から消すことが重要です。そうすることによって、何度も繰り返し選択肢を読んだりする必要がなくなります。共通テストでは、時間配分が肝心であることから、余計な思考の時間をなるべくカットしていきましょう。

選択肢①:本文内容と矛盾が生じている。第六段落において、延命治療を拒否する場合もケースバイケースで認められると記述があるが、選択肢では「自らの死につながる選択はいずれも患者の自己決定権には含まれない」となっており本文と一致しない⇒×

選択肢➁:こちらも本文と矛盾している。第五段落において、筆者は十分なサービスを保障されずに死に至る選択をせざるを得なかった人について懸念しているが、選択肢では「十分な説明を受けて話し合た結果であれば、…死の自己決定権は患者の自己決定権に含まれる」と言い切っており、懸念事項を無視した選択となっている。⇒×

選択肢③:本文と矛盾している。選択肢で「患者の自己決定権という問題の立て方自体に無理がある」という風に書かれているが、四段落における作者が自己決定として容認できる内容があると述べていることと合致せず、そもそも本文趣旨からずれてしまっている⇒×

選択肢④:この選択肢には注意が必要となる。【資料】に書いてある内容と一部合致しているためである。しかし、設問で問われているのは筆者の考えについてであり、筆者は本文中で「死の自己決定権」を行使すべきなどと是認する言葉は一切述べていない。そのため設問趣旨と合わない。⇒×

選択肢⑤:ケースバイケースで考えられるという第六段落内容とも一致し、また選択肢後段も第七段落に合致するため、選択肢内に本文との矛盾はない⇒〇

☆ポイント:選択問題では、消去法による解き方をすることも可能ではあります。問2の場合だと、①~④が誤りだと判断できるため、⑤を読まなくても消去法で選択することはできますが、より紛らわしい設問であったりしたときにこの解き方では危険です。なので、たとえ選択肢が消えてもすべての選択肢に目を通し、本文と照合することを心掛けましょう。

問3:傍線部Bに関する設問。基本的に解き方は、問2と同じである。傍線部解釈と、選択肢の本文との照合である。

 傍線部B「この『いのちは自分のもの』という語りも、『フィクション』の一つである。」⇒これらをパーツに分けると「この『いのちは自分のもの』という語り」「『フィクション』の一つ」の二つとなる。それぞれ①、②とする。

①「この『いのちは自分のもの』という語り」:指示語である「この」を含む。ここでは、一般的な人の「人の命はだれのものか」という問いに対する答えということである。

➁「『フィクション』の一つ」:①がフィクションの一つであるということであるが、フィクションという言葉の意味を考えたときに、虚構や作り物などの意味をまずは思い浮かべられることが必要となる。つまり、このフィクションという見方は否定的な見方であるということが理解できる。本文で傍線部以降、フィクションという言葉やそれに類する用語が出てきたら、注目する。

 次に選択肢を本文と照らし合わせていく。

選択肢①:これは明らかに本文から外れている。選択肢文章「現在の風潮に対抗するために生まれたもの」という記述は本文に一切ない。⇒×

選択肢➁:本文と矛盾している。選択肢文章「神仏からの授かりものだと考えるほかない生命」と断定調書かれているが、本文第八段落では神仏からの授かりものというのも挙げられているものの、一般には自分のものと考える人が多いと書かれている。よって合致しない⇒×

選択肢④:これは少し引っかかる可能性のある選択肢である。「欧米的な個人主義」という言葉につられて、正解としてしまうかもしれないが、その後の「ほとんどの人にとって現実味のないことでしかない」という文が、第八段落などと矛盾するため不適切である。⇒×

選択肢⑤:文章と矛盾している。「現代の医療に支えられてはじめて成立するもの」という記述が、本文には記述がないものであり誤り。このようにわかりやすい選択肢は、すぐに消すようにすること⇒×

選択肢③:これが正解となる。本文の内容と合致しているが、この選択肢の文章では、言い換えが巧みに行われており、本文そのままの形では書かれていないため、よく本文と照らし合わせる必要がある。「同一性」という言葉は第十三段落の「一貫した自己」の言い換えで、また「尊厳を有する個人」という言葉は第十段落の「徹底した個人主義、、、」の言い換えとなっている。

☆ポイント:選択肢の文章は一見しただけでは正解かわからないように、言い換えが行われていることが多いです。そのため、とりあえず紛らわしい選択肢であった場合はいったんは飛ばし、ほかの選択肢を潰していくという方向性をとることも一手です。消去法で選択肢が絞られた後に、本文と詳しく照合していきましょう。

【問4】:波線部「患者の自己決定権」に関する設問。この設問では、本文だけではなく別途提示されている、【資料】も参照して解くことが求められている。「患者の自己決定権」はこの文章のテーマであるといえ、全体的に本文を読んでいく必要もあるため、選択肢を効率よく消していくことが重要。

 選択肢を一つずつ見ていく。

選択肢①:【資料】に関する記述はおおむね適切であるといえるが、「全員が」というのは言い過ぎ。本文からの記述も不適当。「患者と十分に話し合いをしているのは現状では医師のみ」という記述は、本文第十二段落の内容と合致しない。筆者は、多忙さからマニュアル通りの説明しかなされていないであろう現状を危惧している。⇒×

選択肢➁:【資料】に関する記述はこちらもおおむね適切であるが、「患者から申し出があった場合」というのは×。患者から申し出がなくても説明をすべきであるとされている。本文からの記述は不適当である。選択肢文後段、「医師が治療方針を決定している」という記述は本文にない。あくまで第十二段落で述べられているのは、説明不足だったりする現状では治療方針を延命措置を取らない方向に誘導しているということである⇒×

選択肢③:こちらも【資料】に関する記述が適切。本文からの記述である選択肢文中段の「患者に代わり他者が医療やケアを選択するのは認められない」と断定しているが、本文にその記述はない。本人を代理して家族が決定を行うことは否定していない。⇒×

選択肢⑤:【資料】に関する記述、本文に関する記述双方に誤りがある。選択肢では、「患者が納得のいく意思決定をするため」に痛みを軽減する医療ケアを充実させる必要があるとしているが、肉体的苦痛の緩和の目的は患者の意思決定を促すためのものではない。よって目的がすり替わってしまっている。⇒×

選択肢④:こちらが正解となる。この選択肢は、比較的言い換えなども為されておらず、わかりやすい選択肢となっている。適切に【資料】、本文の内容を書いているといえ正解である。

☆ポイント:選択肢の中で明らかに正解となる選択肢がある場合は、正解と判断してすぐに次の問題に移動するのも一つの手です。確信を持てたらそれを選択し、一番最後に見直しする際に確認をしましょう。

問5:本文と【資料】を踏まえたうえで、五人の生徒の話している内容のなかで矛盾しているものを選択する設問。このような形式の問題でもやることは変わらず、選択肢のセリフの内容を本文と丁寧に照らし合わせていくこととなる。選択肢を一つずつ検討していく。

選択肢①:作者の見解に沿っているといえる。第十四段落などにおいて社会が効率化や生産性などを重視しているなどと、テーマである患者の自己決定からさらに話を広げて思考をしている。第八段落の内容などとも合致している⇒矛盾なし

選択肢➁:作者の見解通りである。この選択肢文は、本文第十三、十四段落の内容をまとめたような内容となっているため、わかりやすい。こちらはすぐに除外できる。⇒矛盾なし

選択肢③:こちらも作者の見解に沿っている。第十二段落における医者の多忙な現状と、第十四段落の生産性等の記述を組み合わせた選択肢文となっている。⇒矛盾なし

選択肢④:これも作者の見解通りである。最終段落のナチスドイツの峻別の思想が、現代にも通底する部分があるというのは本文解説でも見た通り。本文と相違はない。⇒矛盾なし

選択肢⑤:こちらが本文と矛盾のある選択肢となっている。選択肢文では、積極的安楽死を肯定し「積極的安楽死を認めるためのガイドラインを早急に作成し法を整備」などと書かれているが、本文の筆者の主張と合致しない。特に第七段落などにおいて、筆者は積極的安楽死などを患者の自己決定権として認めることを不可能であると述べているうえ、文全体で慎重に考えていく必要があると述べている。⇒矛盾あり。この選択肢の文章も比較的わかりやすいものといえる。また、明確に欧米と日本を対比している箇所もない。このような「ニセの対比」は共通テスト形式でよくあるダマし方である。覚えておいて欲しい。

☆ポイント:そこまでこの形式の問題は選択肢の文章が難しくなりません。そのため矛盾している選択肢を見つけることも容易くなることが多いです。この形式の問題は取りこぼしのないようにしたいです。

問6:本文表現に関して適当な説明を選択する形式。二つ選択するため注意が必要である。こちらも旧センター試験を踏襲した形式となっている。選択肢に書かれている本文の場所を素早く参照し、テンポよく消去していくことが重要となる。

選択①:適切ではない。設問文に書かれている第一段落から第三段落における()の中の説明を読むと、単語の略称であったり、語句の意味であったりするものが書かれているだけである。インフォームドコンセント(よく知った上での同意)などは、設問文にあるような補足し詳細を説明しているものとは言えない⇒×

選択肢➁:適切ではない。欧米に由来するものであることを示すためにカタカナによる表記を用いているという事実はない。「インフォームドコンセント」などは一般にも認知が広がっている言葉であり、これは明らかに誤りであるといえる。また選択肢文に挙げられている「レジリエンス」は死の自己決定権と直接関連する単語ではない。⇒×

選択肢④:適切ではない。選択肢文では、第五段落における「拒否する場合」の拒否という単語に強調点が置かれていることを、現実にはないことであることを強調するためと書かれている。しかし、そのあとの本文を読めば、現状では延命治療を拒否する方向に誘導する危険性を筆者は書いていることからも不適当な説明とわかる。⇒×

選択肢⑤:適切ではない。第八段落における「?」を反語としてとらえると、「人のいのちは誰のものか?」という文章は「人のいのちは誰のものか。いや、誰のものでもない」というその後の本文内容と明らかに矛盾する文章となってしまう。そのため明らかに不適切であるとわかる。⇒×

選択肢③、⑥:これらが適切な説明となっている。接続詞によって論の展開がわかりやすくなるというのは間違いないものであり、また擬態語などはつかみにくい内容を感覚的に捉えわかりやすくするために用いられることが多い。これらの説明は、他の文章でも当はまる普遍的説明であるといえ、適切。

☆ポイント:基本的には、表現が用いられている段落が設問文中に提示されるため、提示されている部分に戻り読み直し判断を加えていくことが重要となります。明らかに誤りである選択肢がわかりやすい分、ひっかけのような選択肢も作りやすい設問です。丁寧に選択肢を調べていきましょう。

先生
これで、現代文のうちの評論文の本文と設問の解説が終わりましたよ。
お疲れさまでした。
国語太郎
やっぱり現代文って考えることが多いんですね、、でも、設問へのアプローチの仕方はなんとなくつかめた気がします。
先生
やはり現代文はとにかく様々な問題を解いて、解き方の癖を覚えていくことが重要になりますね。最後に簡単に設問を解く際の特に重要なポイントをまとめておきます。

☆現代文【評論文】を解く際に重要なポイント☆

・本文内の指示語は、逐一当てはめ、どのことを指して述べているのか確認しながら読むこと。          ⇒基本的に筆者も何度も同じことは書きたくありません。そのため省略を指示語などを使いつつ文章は書かれていきます。そのため、前後関係がわかりにくくなったりするため、どの言葉を指しているか確認しながら読めば、文章の理解力は格段に上がります!

・設問の傍線部をポイントごとにわけて理解すること                                   ⇒傍線部を今回の設問解説のように分解することで、何について問われているのかわかりやすくなり、本文から答えを見つけやすくなります。

・消せる選択肢があったら迷わず消していくこと                                    ⇒何度も選択肢を読み直すことは時間があまりない共通テストにおいて致命的です。本文と参照しつつ、矛盾や誤りがある選択肢があったら即座に消していき、選択肢を削っていきましょう。

・紛らわしい選択肢があったら、そこまで考えこまずに次の選択肢に行くこと                     ⇒何度も言うように共通テストは時間勝負です。一つの選択肢に時間をかけると、ほかの問題を解く時間がなくなります。そのため、ほかの選択肢の吟味に移り、後回しにしておきましょう。うまく消去できれば、消去法で正解を選ぶこともできます。

先生
まずは、上にまとめたポイント意識して、現代文に取り組んでいこう!
どれだけ練習を積んだかが重要になるから頑張っていこう。
国語太郎
先生、ありがとうございました!頑張ります!!

 

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